
不登校の子と保護者らが野菜作りに取り組むグループ「なないろファーム」(南部裕子代表)はこのほど、小山市城東の多世代が交流できる常設型サロン「じゃあ またね」で初めての「地域食堂なないろ」を開き、多くの人で賑わった。南部代表は「とても美味しい、品数が多くてびっくり、一人暮らしだと料理をしなくなるのでありがたいーというお声をいただきました。食堂を手伝った子どもたちも、自分が作ったものを美味しいと言ってもらえてうれしいと言っていました。今後は子どもも大人も自然と食事をしながら交流ができるようにしていきたい」と声を弾ませた。
地域食堂は学校に通うことが難しい子らにさまざまな年代の人と食事をする機会を提供するほか、子どもたちが食堂の運営に参加することにより実践で学
べる場を設けるのが狙い。午前11時半から午後1時半まで開いた食堂には、スタッフとして中学生以上の5人の子どもも参加、調理の手伝いや配膳などを行っ
た。南部代表は「子どもたちも初めてだったので、何をしたらいいのか分からなかったようでしたが、次はこうした方がいいなどとアップデートしていました。また参加された高齢者の方から〝子どもたちとワイワイ食事ができると思ってきた〟という言葉をいただき、とてもうれしかったです」。
南部代表によると、不登校の子どもたちは人に会うのを嫌がるが、時間がたつと人と触れあいたくなる傾向があるという。そこで力を注いでいるのが親子で来られる「居場所」の充実。昨年8月から小山市ふれあい健康センターで毎週金曜日、親子の居場所「スペースおやおや」を開設。子どもたちは自分の好きなことを楽しみ、親たちには悩みの相談や情報交換の場にもなっている。
「学校に行っていないと、勉強はもちろんですが体験活動も減ります。なので野菜を育てたり、文化芸術に触れる機会を設けたりしています。先日はみんなで遠足に行きました。じゃあ またねの地域食堂以外にも子どもが調理をして食べるタイプの地域食堂も行っています。さまざまな体験から学ぶこともあると思います。そしてそこから好きなことを見つけてくれたらうれしいです。子どもたちがやってみたいと言ったことは可能な限り、出来る場所をつくっていきたいと思っています」。
文科省の調査によると、23年度の小中校不登校児童・生徒数は34万人を超え、11年連続の増加となった。小山市の不登校児童・生徒数は600人といわれているが、南部代表は「学校によって認識が違うので、実際はもっと多くい
るはず」と指摘。不登校問題について行政に望むことを尋ねると「これだけの子どもが学校に行かないという選択をしているので、各学校が対応するのは限界だと思います。行政には学校以外の場所の設置や学校以外の場所で過ごすことを認めてもらいたいです。また子どもが不登校になった時に保護者に情報がありません。行政が行っている相談窓口だけではなく、民間の情報も幅広く周知してもらいたい」と訴えた。
