栃木市片柳町で「ぶなの森カルチャークラブ」を主宰する村上正子さん(79)は、自他ともに認める音楽好き。栃木市民吹奏楽団の団長を10年ほど務め、かつて経営していたレストランでは137回ものサロンコンサートを開くなど地域の音楽文化の振興にも努めてきた。現在も市民参加型ラジオ局FMくらら857の「日曜蔵シック」のパーソナリティーとしてクラシック音楽の魅力を伝えている。
幼いころから歌うことが大好きで、よく美空ひばりの歌を口ずさんでいたという。小学4年の時に市の芸術祭で独唱したのを機に声楽を習い始め、東京のオペラ歌手・四家文子の指導も受けた。「歌なしの人生は考えられない」と音大の声楽科を目指したが、体をこわし進学を断念。それでも音楽への思いはずっと変わることはなく、「声楽を学んだことは私の人生の宝となっています」。
栃木市民吹奏楽団の団長時代は、姉妹都市の米・エバンスビル市への演奏旅行をはじめ、中国や台湾などにも親善使節団として楽団を率い赴いた。個人でも大好きなオペラを鑑賞するため本場イタリア、フランスを何度も訪問。「ローマで観たプッチーニのオペラ『トスカ』がとても素晴らしかった。古い街並みに音楽があふれていたのも印象的でした」と振り返る。
コロナ禍もあり気軽に生の演奏に接する機会が減った昨今。村上さんは「音楽は誰も傷つけず、喜びと感動を与えてくれる〝心の宝物〟。演奏家の一人ひとりが渾身の努力を重ねてステージに臨みます。少しでも生の音楽を聴かせるチャンスを提供していきたい」と力を込める。
村上さんには実現させたいイベントがある。それは小山市出身のオペラ歌手・森谷真理さんのコンサート。森谷さんは2006年、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラ「魔笛」で夜の女王役に抜擢され大成功を収めた。その公演を村上さんは生で観た。「日本人では5人目となるメトロポリタンオペラ出演。真理さんの堂々としたステージに会場はブラボーの嵐となり、思わず涙を流しました。5年前の天皇陛下の即位を祝う〝国民祭典〟では国歌を独唱。いま最も世界に誇れる音楽家のひとりです」。
また村上さんは押し花アート「ふしぎな花倶楽部」の栃木県リーダーも務めおり、自身が関係するイベントなどの際は同倶楽部のインストラクターの作品を展示、会場に彩を添えている。
ぶなの森カルチャークラブの各講座は次の通り。
▽「はじめてのフルート」(講師:清水彩子)
▽「大人のためのピアノ教室」(講師:荒井庸子)
▽「Get’sクラリネット」(講師:相島咲貴子)
▽「カッコよくサクソフォーン」(講師:渡辺美輪子)
▽「ハートフルトランペット」(講師:松本大知)
▼ローズマリング(講師:湯澤美津子)
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