雄大な自然が広がる小山市豊田地区にて、中学生が中心になり活動しているボランティアグループ「SUNNY.農園」。
空き農地の活用のために無農薬野菜づくりを軸として2023年1月から活動をスタートさせた。メンバーのほとんどは中学2年生なので、勉強や部活、習い事などと両立しながら週末を中心に活動している。
代表の高橋さんは転勤により小山市に移住してきた。自宅近くに空き農地があったため野菜づくりを始めようと考えたが、地域のつながりがほしいとの思いから「やるならば自分一人よりも地域の子どもたちとやってみたい」と思い立ったことがグループを作るきっかけになった。
子どもたちが誘い合うなどして集められたメンバー。未経験者ばかりなので、はじめは遊び感覚で土と触れあっていた。
SUNNY.農園では「菌ちゃん農法」というやり方を採用している。落ち葉や刈草などを使って土づくりをするための資材集めから畝作り、育苗、植付を進めてきた。
11月4日に小山総合公園にて開催された「おやまいち」に初出店した。今回のイベントでは種まき、収穫、袋詰め、販売まで一貫して行なったのがはじめて。メンバーは自らお客さんを呼び込み、堂々と
受け答えする姿は大人顔負けだ。中には「野菜の調理方法など質問され、スムーズに答えられないことが悔しい」と振り替えるメンバーも。高橋さんのサポートもあり、野菜はほぼ完売。学校生活や部活
とはちがった喜びを分かち合えることはきっと、メンバー各々の人生の糧になることだろう。遊ぶように土をいじり、野菜づくりを通して学校生活では得られないこと、自分たちで手がけたものでお金をい
ただくありがたみを感じられることは中学生ではなかなか経験できない。約半年活動をしてきて、学びの連続で試行錯誤しながらも“楽しく”をモットーに進んできた。
高橋さんは、色々な自治体で同じような活動が広まってほしいという思いがある。
野菜づくりはあくまでひとつの手段であり、可能性は無限だ。子供たちの豊かなこころと明るい未来を創り出すこの活動が、一人でも多くの人に伝わることを願ってやまない。