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「子どもたちが貧困の連鎖を断ち切り、豊かな社会生活を実現できるようサポートしていきたい」と話す

「子どもたちが貧困の連鎖を断ち切り、豊かな社会生活を実現できるようサポートしていきたい」と話す

2024.01.27

「残りの人生は子どもの貧困対策に」
生活、就学支援などフル活動「残りの人生は子どもの貧困対策に」

 貧困や虐待などにより居場所のない子どもたちに対し、就学・就業の支援を行っているNPО法人「自動車流通市場研究所(自流研)」=小山市宮本町。理事長の中尾聡さん(62)は小学生の頃から新聞配達で家計を助け、大学も新聞奨学生となり苦学の末に卒業。貧困のつらさは身をもって経験している。法人設立から5年目。中尾さんは「コロナ禍の3年間は思うような活動ができませんでした。今年はフルに動けるようになったので子どもたちの生活支援や自主夜間中学のサポート事業などドラスティックに展開していきたい」と力強く抱負を語った。
 中尾さんは1986年、明治大学を卒業し荒井商事に入社。中古車のオークション会場立ち上げや輸出の仕事に携わった。中古車流通のスペシャリストとして東南アジアやアフリカ、南米の国々にも赴
き、オークション会場設立のノウハウを指導。そこで「子どもたちの凄まじい貧困を目の当たりにし、衝撃を受けた」という。

オークション会場で電気自動車の仕組みを学習

 39歳で脱サラし、中古車流通関連の会社を長年にわたり経営。所属するロータリークラブの一員として子どもの貧困対策にも関わってきたが、「企業経営の片手間ではだめ。残りの人生は子どもの貧困対策にかけよう」と決意。2019年に社長を退任、自流研を設立した。
 これまで貧困家庭の子どもたちに包括的な支援を行っている施設や地元ロータリークラブなどと連携、中古車オークション会社などでの「わくわく職場体験・見学ツアー」や、自流研が目標の一つに掲げている自動車業界への就業に役立つ「クルマを学ぶわくわく教室」を開催。就業支援プロジェクトとして県立国分寺特別支援学校の生徒を市内の結婚式場に招き、テーブルセッティングや接客体験を行った。また「子供の居場所」を利用する子どもたちに思川温泉の職場見学チケットや映画観賞券・図書券を贈呈。このほか子ども食堂に食品容器を1年分提供、パソコン・交通安全教室を開くなど様々な事業を実施している。
 2年前に開設された「おやま自主夜間中学」(運営:NPО法人みんなの学び場おやま)の支援にも力を注いでいる。小山市がアフガニスタンの難民を受け入れていることもあり、生徒の9割は外国人。日本語が話せないため、まともに就職することができず、生活は困窮を極めているという。自流研では夜間中学に教科書の提供や求職の際に必要な「日本語能力試験」の受験料の支援を行っているが、行政が携わる公立ではないため厳しい運営を余儀なくされている。中尾さんは「自主夜間中学の存在を知らない人が多いので、フォーラムなどの啓発活動を通して理解と支援を呼びかけていきたい」と力を込めた。

就業体験先(オークネット社)の神宮球場&秩父宮ラクビー場をのぞむ会議室で