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森のパン屋店長 高田千春さん

森のパン屋店長 高田千春さん

2022.12.09

いつ来店されても
新しいパンやお菓子に出会えます
クリスマスケーキはお好みに応じて対応します

 魔法使いのおばあさんが、オーケストラの指揮者のようにステッキを振り下ろすや、小山市東城南の一画に、どこか懐かしい、くまのプーさんの物語に水彩絵の具で色をつけたような1軒の家が現れた。驚きながらも階段をゆっくり上がり、ドアを開ける。迎えてくれたのは、腕自慢の音楽家たち。彼らは思い思いに体を揺らし、陽気なメロディを奏でている。
 そこにスーッと現れたのは、おそらくこのお店の店長。没後42年、ジョン・レノン風メガネがおしゃれ、などと考えていると、その隙間を巧みに埋めるように、話し始めた。「森のパン屋店長の高田千春です。1984年、宇都宮に生まれました。宇都宮短期大学附属高校在学中、市内のフレンチレストラン・オーベルジュで3年間お世話になり、卒業後、市内のイタリア料理店、パン屋での修行を通じて、パン作りの基礎を身につけました。その後、神奈川や静岡県に店舗を持っているベーカリー&テーブルで働いていた時、パン作りを教えてほしい、という依頼が遠くハワイからあり、半年ほど、日本を離れます。帰国後、箱根のベーカリー&テーブルに戻り、その後、独立するか、新規オープンの店で店長としてやっていくか、というとき、たまたま、ここの店がオープンするということで。天使の森の社長と私の想いが一致して、森のパン屋に入ることになりました。これがちょうど6年前ですね。森のパン屋もオープンから今年の12月で6年。入って半年後には店長を任されました」
 ベーカリー&テーブルといえば、名店だ、などと感心していると、ピーターラビットのオブジェも何やら両方の耳を澄まして、店長の話を聞いている様子。壁面にレイアウトされているポスターをヒンに、勇気を出して質問。「クリスマスケーキは森のパン屋さんならではだと聞いたのですが」「その通りです。まさに森のパン屋ならではだと思いますが、たとえば、ブッシュドショコラですと、中にバナナが入っていますが、チョコ食べたいけど、バナナが苦手、という人には、イチゴに替えます、とか。ホワイトノエルですと、中にブルーベリーとイチゴとラズベリーが入っているんですが、ラズベリーが苦手なのでラズベリー抜きでもいいですか、という方にも対応します。ケーキ屋さんは一年で一番忙しい時期なので、決まった型以外が難しいと思うんですけど、うちはパン屋なので、そんなにたくさん注文は入らないだろうということで、個別に、好みに応じて対応します」
 焼きたてのパンの香りが漂う中、「店長として心がけていることは?」。「いつ来店されても、新しいパンやお菓子があるようにしています。それと、おいしいパンやお菓子を提供するために、いろんなものを食べるようにしています。好奇心旺盛なので、たとえば、東京や福岡などに行かないと食べられないようなパンも、ここに来れば食べられるようにするため、自分で食べて、それを工夫して置いたりもしています。いろいろなものをたくさん楽しんでほしい、という気持ちが新商品につながってますね」大きな時計を抱えた不思議なウサギに急かされ、早口で聞いた。
「ところで、趣味は?」「コロナ前はライブコンサートなどに出かけていましたが、最近は温泉めぐりが多いですね。朝から晩まで働いているので、体のメンテナンスと趣味を兼ねてというところが大きいでしょうか。」デキシー風音楽にハミングを重ねていたら、「ディズニーなどにあるようなワクワク感をプラスアルファで感じていただければうれしいです。滞在時間をなるべく長くしていただけるように、いろんな商品を置いて、選ぶのに悩んでしまうという気持ちも楽しんでほしいですし、食べること以外に、ここにきてよかったなと、いう思いを提供できたらと、常々思ってます」と、話してくれた。
 魔法にかかったような時間は、あっという間に過ぎた。空腹にはなんとも罪なおいしい香りに包まれ、人気者のくまがハチミツを食べすぎたせいで気持ちよさそうに立てている寝息のリズムに合わせ、入り口の階段を下りた。だけど、こころは不思議なほど満腹だった。

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