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大舞台に挑む石橋高ナイン

大舞台に挑む石橋高ナイン

2023.03.17

春の選抜高校野球大会に
「3度目の正直」で初出場
石橋高、初戦は能代松陽(秋田)

 県立石橋高校(下野市石橋845、瀬端徹校長)が、18日に阪神甲子園球場で開幕する「第95回記念選抜高等学校野球大会」(センバツ)に21世紀枠で出場。初戦は能代松陽(秋田)。同校にとっては、学校創立98年目で春夏通じて初の甲子園。指揮を執って7年目になる福田博之監督に、現チームの特徴や理想の監督像、大舞台に臨む意気込みなどを聞いた。

 同校は県内屈指の進学校であるため、野球部員にも「文武両道」が求められる。狭いグラウンドを4つの部活で共有するなど、練習環境にも恵まれていないが、福田監督が効率的な練習方法を取り入れたことで、近年は私学とも互角の戦いを展開。困難な状況を克服し、コンスタントに県大会ベスト8以上の成績を残し続けていることが、21世紀枠への推薦理由の一つとなった。2017年と21年にも、関東・東京地区の代表として21世紀枠の最終候補(9校)に選出。惜しくも出場は叶わなかったが、3度目の今回にようやく吉報が届いた。福田監督自身は、真岡高時代の2003年を含めると「4度目の正直」での悲願成就。「生徒の頑張りはもちろんだが、基礎を築いてくれた卒業生にも感謝したい」と教え子の功績に敬意を表する。

 現チームは「3人のピッチャーの継投で最少失点に抑え、相手より1点でも多く取る」戦い方を理想に掲げているが、昨秋の県大会は、開幕直前に主力選手が新型コロナに感染する緊急事態が発生。他のポジションの選手がキャッチャーを守るなど総力戦を強いられたが、危機的な状況に選手が奮起し、接戦を勝ち抜いてベスト4にコマを進めた。

 幼少の頃から野球は好きだったが、自身は高校野球の経験がない。「プレーに自信がなかったし、学業との両立も大変だと思った」と当時を振り返るが、生徒を指導するうちに「一生に一度の高校時代。野球をやっておけばよかった」との後悔が芽生えたという。その思いが「甲子園」への憧れを強くし、夏季休暇には夜行バスで観戦に赴き、修学旅行でも自由行動の際に足を運ぶなど、「目指すべき場所」を確認してきた。

 目標とする指導者には、木更津総合高(千葉)・五島卓道監督の名前を挙げる。理由を尋ねると「毎年好投手を擁し、守りも堅い。中軸でも長打を狙わず、単打にバントを絡めて得点するスタイルが、自分の理想とする野球に近いから」と答えた。

 21世紀枠は「公立校にも夢を与えてくれる制度」と話す福田監督。全国の地区大会を勝ち抜いた出場校は強豪揃いだが、 憧れ続けた甲子園で「自分たちのスタイルを貫き、1つでも多く勝ちたい」と意気込み、生徒には「全力でグラウンドを駆け回り、伸び伸びとプレーしてほしい」と思いを伝えている。

福田博之監督

【プロフィール】福田博之(ふくだ・ひろゆき)

 1965年9月28日生まれ、57歳。真岡高―宇都宮大卒。大学では硬式野球部に所属し、卒業生が集まる「宇都宮大学OB野球クラブ」でもプレー。高校野球の指導者を目指したのは、芳賀高などで監督を務めた父の影響が大きい。壬生、真岡、宇都宮北の各校で監督を歴任し、指導歴は35年目。趣味は映画鑑賞で、休日はスーパー銭湯に通い疲れを癒す。芳賀町祖母井に妻、長女との3人暮らし。